重役出勤と社長出勤の違い

朝、普段通りに出社し仕事をしていると、同僚が1時間ほど遅れて出社してくる。
「お、おはよう 重役出勤やなー」とからかう上司、「申し訳ありません、朝体調が芳しくなくて」と謝る社員、度が過ぎなければ割と目にする光景かも知れない。
大抵の場合は、遅刻に対して怒られる時に使われたりするけれども、この言葉を用いからかうように注意されている段階ならば、誠意を持って行動すれば「次からは注意してくれよ」となる場合が多いだろうね。いわばジャブという感じか。何回も続けて遅刻とかしてたら、そんな言葉を用いる前に呼び出されて怒られるだろうし。
さて、そんなこんなで割とよく目にしたり耳にきいたりする「重役出勤」だが、何故このように遅れてきた人に対して使われてるのか、そもそもどういう経緯でこのような言葉が生まれたのかがふと気になった。重役というのは普通の社員より遅れてくるというイメージがついているのだろうか?
重役出勤でググるはてなキーワードが見つかる。上の文章の重役出勤にははてなキーワードへのリンクがついていると思うが、簡単に引用しよう。

重役出勤 じゅうやくしゅっきん
遅刻をすることのたとえ

なるほど、確かに使われている用途はわかるが、語源は? と探してみるが、これがどうもはっきりとした事が見つからない。さらには「社長出勤」という類義語まで見つかる始末。
あれ、確かに社長出勤という言葉まで使うなぁと思い、まず重役出勤と社長出勤とで日本語ページ内を対象にググってヒット件数を比べてみた。

  • 重役出勤
    • 約 142,000 件
  • 社長出勤
    • 約 1,630,000 件

おっと、桁数に大きく差が出たな、社長出勤の方がよく使われているらしい。
また、社長出勤という言葉を検索して意味や語源などを探っても、どうもはっきりしたのが出てこない。大抵の場合は重役出勤と意味が被ったりする事が殆どだ。語源に関しても「いつも社長は昼過ぎから出社してくる、いいご身分だ」くらいな感じで、社長とはそういうものだからという。全国の社長さんには既に偏見を持たれているわけで、少し可哀想だが。がんばれ、社長。
とそんな中で、朝尾幸次郎さんという方のWebサイトで興味深い物をみつけた。若者ことば辞典というものだが、ファイルがWordファイルなので該当箇所だけを引用させていただく。

しゃちょうしゅっきん 【社長出勤】 名・スル
予定の時刻に遅れてくること。もしくはその場まで車やタクシーを使うなど、お金をかけて楽に来ること。「あの子いっつも校門まで車で来てるわ。その割時間には絶対遅れてくるのに」「社長出勤してんねんな」
じゅうやくしゅっきん 【重役出勤】 名・スル
その場まで車やタクシーで来ること。★社長出勤との違いは時間に間に合っているかどうか。→しゃちょうしゅっきん。「今日お母さんに学校まで車で送ってもらってん」「重役出勤やな」

なるほど、これが絶対的に正しいかどうかは別として、時間に間に合う間に合わないで分けるという点は面白い。共通点は通勤方法がブルジョワジーになるという事で、社長になると時間にもだらしなくなるのか。
まぁ、遅刻などの例えを「社長(や重役)のようだ」と皮肉るのは別として、本当に社長が社長出勤してくるような職場にはあんまり行きたく無いな。
そして全国の社長さん、頑張れ!